食と共に・・

管理栄養士になって20年以上病院と施設で患者さんなどの栄養管理と献立を作成する経験をしてきました。家で暮らすことが出来なくなった患者さんの想い、「家に帰りたい・・」という言葉を幾度となく耳にするうちに、家で暮らすことは豊かな人生に繋がっていくのだと思うようになりました。

病気、自力での生活が困難、食事が摂れない・・などの理由で住み慣れた家から離れた方、そのような方が体に栄養が満たされると表情が良くなり、会話や、自己摂取が出来るようになった方も見てきました。
栄養士をしていますと「体に良い食べ物はなんやとね?」と聞かれることがあります

私もその答えを探すべく、患者様をモニタリングし、食を陰と陽からみたり、玄米を主食としたマクロビオティックを実践したり、断食セミナーにも参加して食べないという体験を通して食を探求すると排泄力の大切さに気づきました。

食べると出すはセットです。便秘になると新陳代謝の低下につながり肌にハリやツヤがなくなります。
腸内に発生した毒素は、自律神経の乱れを及ぼし頭痛・肩こりが起きやすくなると言われており、以上の事からいくら良いものを食べても消化吸収する腸が元気でないと無駄になります。

最近では「腸は第二の脳」と言われています。腸内にはいろんな微生物が存在しており、その微生物が消化吸収に大きな役割を果たし、腸内環境の鍵を握るのが発酵食品なのです。
なぜ発酵食品なのか?発酵食品は生き物の宝庫だからです。麹菌や乳酸菌などの微生物が発酵の過程でどんどん繁殖していくからです。

つまり、オーガニックや玄米食や体に良いと言われる物が多々ある中で、発酵食品を意識して摂り、腸の土台作りを行うことでより健康へと繋がります。醤油、納豆、味噌、漬物、鰹節など日本の伝統的な発酵食品は、身体の免疫力を高める、体内酵素の消費を助ける、微生物の力で「うま味」をつくりあげるなど、一石二鳥にも三鳥にもなりうるものなのです。

伝統的な食品が体に良いという考え方の一つに身土不二(しんどふじ)という言葉があります。

これは「地元の旬の食品や伝統食が身体に良い」という意味で、体と住んでいる風土や土地の環境は密接な関係があり、農作物はその土地に住む人の健康にとって最も適した物が適した時期にできるというものです。

また、陰と陽から食をみてもしかりで、夏場は体を冷やすために、

陰の食べものきゅうり、スイカ、トマトなどが収穫され、

冬は体を温める陽の食べ物大根、ゴボウ、レンコンなどが収穫されます。

旬の食物をとる事で体のバランスがとれるのです。

施設栄養士を辞めて、串間の麹で作った醤油麹、塩麹などの発酵食品を使った朝ごはんと美肌ランチを提供するお店を開きました。

体に良い食べものは意外にも住んでいる土地の食材です。

食と共に・・・